サウンド
FPSは情報戦です。多くの人はディスプレイから情報を得ますが、サウンドからの情報は見逃しがちです。FPSにおいては「音さえ鳴っていればいいや」では多くの情報を逃してしまいます。ある程度の品質のサウンドを確保すると、音が鳴っている場所がわかります。足音、銃声、その他ゲーム中に発生するサウンドは駆け引きする上でとても重要です。音が鳴っている方向と、その距離がわかるのでマップが頭に入っていればどこでそれが鳴ったのかイメージすることができます。つまり視界に入れずにして情報を得ることができるのです。FPSは画面ばかりに気を取られがちですが、サウンドに気を配ることでFPSの世界が開けて見えます。
再生環境
PC のオーディオ環境は CPU のトランジスタ数や HDD の容量ほどではないですが、徐々に進歩しています。以前はサウンドカードを購入しなければ音を出すことすらかないませんでした。そしてマザーボードにオンボードサウンドカードが搭載するようになり、当時はノイズが酷かったものが、現在ではそれなりに実用的な品質で音声出力ができるようになりました。
オンボードのサウンドカードではステレオミニジャックが備わっています。中にアンプが内蔵してありますが、ヘッドホンやイヤホンを鳴らす想定で作られています。FPS ではヘッドホンを使うことをお勧めします。ドライバと呼ばれる音がを出す部分が大きくできるからです。ドライバだけが音質を決める要素ではないですが、構造的に見てドライバが大きいヘッドホンの方がイヤホンより高音質にできますし、同じレベルの品質 (絶対的な評価は難しいですが) の製品を比較してもヘッドホンの方が低価格にできます。
ヘッドホン選び
ヘッドホンには大きく密閉型と開放型の二つのタイプがあります。密閉型は耳をヘッドホンで覆うことで外部と音声を遮断します。遮断することで外部に再生した音声が漏れづらい利点があることと、外部の音が聞こえづらいので再生環境をよくすることができます。開放型はそれをしません。再生した音が外に抜けるので音場が広く感じられ、密閉型にありがちな籠った感じがなくなるのが特徴です。
FPS的な観点でみると、密閉型は遮音できるので、オフライン会場などでも普段と同じような再生環境でプレイすることができます。ただし、VC (ボイスチャット) が可能な場合に限られます。VC ができないケースもありますので、その場合は大声でコミュニケーションをせざるを得ないので開放型の方が有利になります。また、密閉型の方が音の発せられている場所がわかりやすく聞こえます。ある程度ヘッドホンの性質にもよりますが、音の発生方向がわかりやすいということはFPSで有利になることは言うまでもありません。ヘッドホンの中には音を音楽として鳴らすことを前提に作られているものも多くありますので、分析的に音の一つ一つが分解されて聞こえてくるヘッドホンは少なく感じます。しかしフラグシップモデルともなると、音の解像度はもとより音楽的にも聞きやすい音作りになっているものがほとんどです。
ではどんなヘッドホンを買えばいいのでしょうか。一番は試聴をすることです。電気屋では大体ヘッドホンが置いてありますが、うるさくて試聴環境はよくありません。オーディオ専門店などの静かなところを選びましょう。可逆圧縮した音楽を入れた iPod などを持ち込めば試聴させてもらえます。聞くポイントとしては音の方向が一番重要です。次に音の距離感・空間です。密閉型か開放型かは自宅の再生環境を見て決めましょう。
オーディオは上を見たらきりがない世界です。2011年時点で最高のヘッドホンは Beyer T1、SENNHEISER HD800、ULTRAZONE Edition8 でしょう。ちなみに10万円から20万円ほどします。金に糸目をつけなければこれでも構いません。ただしこれを使うにはそれなりのヘッドホンアンプが必要です。品質が価格に比例するのは自明ですが、FPS をやる上で必要十分な品質とはどのラインでしょうか。私は2万円クラスのものだと思います。1万円クラスのものは最低欲しいです。品質と価格との比例は正比例ではなく、2万円くらいまで価格が上昇するにつれ急激に品質が上がる一方で、それを越したあたりから価格あたりの品質の上がり具合は下がって行くように感じます。あくまで主観ですが製品のラインナップを見てもバラエティーに富んでいるのもそのラインまでです。
1~2万円クラスのヘッドホンが必要なのは、音の再生方向というオーディオに求めるクオリティが高いことにあります。正確に音の方向を認識するという要件は現在のオーディオにおいては比較的水準が高いのです。
高品質なヘッドホンを利用するのには他にも理由があります。長時間ヘッドホンをしていると耳が疲れます。オーバーヘッド型のヘッドホンではイヤーパッドからの負担が少なかったり、締め付けが程よく安定性があったりします。物理的な特徴の他にも「聞き疲れ」が少ないのが特徴です。大音量で再生しがちなFPSの音声は耳を使います。一度失った聴覚は元に戻りませんから、大切にしましょう。また、普段音楽をよく聞く人はより音楽を楽しめると思います。普段 iPod 標準のイヤホンクラスのものを使用している人にとっては、今まで聞こえなかった音が聞こえてきたり、その変化は同じ曲とは思えない変化が体験できるはずです。
ヘッドセット
ヘッドホンとマイクが一体となった製品をヘッドセットといいます。マイクを別で用意しなくてよいので取り回しがよく便利です。最近はゲーマー向きに作られた製品も多くなりました。しかしこれらの製品はほとんどいいものが少ないのが残念なところです。先ほどからポイントとして上げている音の位置が不明瞭なものが多いからです。価格帯的にも実現が難しいものを思われますが、そもそもゲームデバイスメーカにはヘッドセットそのものを開発できないようで、多くが OEM になっているのも原因のようです。また、音がいわゆるドンシャリ (低音域と高音域が強調されている音作り) になっているものが多いです。これはゲーム中に聞くことの多い「足音」であったり、試聴した際の最初の方はドンシャリがよく聞こえがちな人間の性質を意識したものだと思われますが、これは非常に聞き疲れしやすい音です。私はゲーム用として何度か試したことがありますが、頭が痛くなったり聞き続けるのが不快で使うのを止めてしまいました。
今までみてきた中でヘッドセットを選ぶなら私は SENNHEISER のゲーミングヘッドセットを勧めます。オーディオメーカーだけあって品質は確かです。この製品が出たとき CS1.6 コミュニティではそのクリアなサウンドで音が聞きやすいと評判でした。当時 VC の品質が悪かったにもかかわらず、音声が聞き取りやすかったのを覚えています。

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